研究会(2018年度)


第186回東アジア英語教育研究会

日時:5月19日(土)15:30-17:35

場所:西南学院大学1号館702教室

参加費:500円

発表1:「Speaking better English with today's easy-to-use technology」
田村忠子(朝日無線(株)、David Liew (Nobotel Inc.)
〔要旨〕
近年、語学学習環境が変化し、座席固定式CALL教室・LL教室の数が減少しています。その結果、「一斉録音」や「ペア会話の録音」、「一斉教材学習」等、先生主導での活動を実行する機会が以前より減っています。外国語・特に「話す力」を伸ばすには、ある程度緊張感を伴う「練習」が必要ですが、その時間が減っているのです。今回ご紹介致しますロボテル社(カナダ本社)では、 2012年にWiFiに対応したCALLシステムを開発致しました。タブレットや個人デバイス利用の普及が日本より早かった、 北米やヨーロッパで既に多くの納入事例がございます。福岡市内を拠点にしております、朝日無線㈱では、 2015年から当製品の国内販売を開始致しました。最新のテクノロジーを使ったCALLシステム及び準拠教材のご紹介と、ロボテル社アジア・太平洋地区マネージャーから最近のアジア地域での語学学習システムの動向についてご紹介致します。

発表2:「2020年以降の英語教育改革はどうなるのか―小学校の英語教科化と大学入試4技能に関する考察―」木下正義(元福岡国際大学)
〔要旨〕
1918年2月11日(日)、小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)主催、文部科学省後援の「小学校英語教科化記念全国シンポジウム福岡大会(於:アクロス福岡国際会議場)に友人の吉田研作先生(上智大学言語教育研究センター長)の基調講演を拝聴した。250名以上の参加者中で大学関係者は私一人であった。パネルディスカッションからの「日本の小学校英語教科化の将来と展望」と「小学校英語担当者の養成とアジア・欧州諸国の調査・考察を論じたい。


第185回東アジア英語教育研究会

日時:4月21日(土)15:30-17:30

場所:西南学院大学1号館702教室

発表1:「教材開発へのTask-basedアプローチ」
Chris Valvona(沖縄キリスト教学院大学)
Title:
A task-based approach to materials development
Subtitle:
Developing materials that work for your students
Abstract: There are thousands of textbooks to choose from, the vast majority of which have been carefully planned and written. And yet, many teachers find themselves unsatisfied with the class textbook, for many different reasons. This presentation will explain how the presenter’s own problems with materials for oral communication classes led to the development and publication of a textbook. The presenter will explain his experience with task-based teaching and developing task-based materials, and how the task-based approach made it possible to adapt materials to various classroom realities. The presentation will end by suggesting how teachers can develop materials suitable for their own individual situation, and will also share some tips on getting published.

発表2:「日本の大学英語教科書におけるELFを考える」
津田晶子(中村学園大学)・金志佳代子(兵庫県立大学)
〔要旨〕
日本の文部科学省は、グローバル人材育成を目標に掲げており、各大学において海外への留学の奨励、外国人の留学生の受け入れ、専門教科の英語での講義の増加に伴い、英語教育の改革が急務である。日本の大学では、ESLのinternational marketed textbookだけでなく、日本語を母語とするELFスピーカーである日本人教員と日本人学生を対象として、日本の大学英語教材出版社が教材を出版しており、これらは日本人教員が主に執筆するか、英米のニュースサイトなどを元に編集し、日本の大
学市場のみで流通している。
この発表では、洋書と和書の教科書の違いを比較し、後者の教材に焦点をあて、13社の大学英語教科書によって運営されているウェブサイトを元に、(1)どのようにカテゴライズされており、どのようなカテゴリーが出版点数が多いか、(2)ELFの視点でデザインされた教科書にはどのようなものがあるかを分析する。そして、ELF話者である教員および学生にとって理想的な教材の条件について、検討する。

発表3:「メディア英語の積極的活用法」
田上優子(福岡女子大学)
〔要旨〕
時事英語を扱う教材は、出版されるまでの版権許諾などにも時間を要するため常に最新情報を掲載できない難点はある。しかしながら生涯学習を見据えた上でも、発信力のある自律学習者を育成するためにも推奨される内容を含んでいる。また経年教材の内容でも表現の多様性を学びとることができる。このように考えると初年次教育で読まれる教材(テキスト)としてのみならず、上級年次の学生の英語学習媒体として、発展的な活用ができる教材が求められている。発表では、広くメディア英語に利用できる教材を概観し、その効果的な利活用について考える。

 


第184回東アジア英語教育研究会

日時:3月17日(土)15:30-17:35

場所:西南学院大学1号館702教室

発表1:「大学生の短期海外研修はどのような効果があるのか:研修前後のテスト結果から」 徳永美紀(福岡大学)

〔要旨〕 大学の長期休暇を利用して参加できる、1ヶ月以下の短期海外研修に参加する学生は増加傾向にあり、平成28年度の参加者は6万人以上にのぼる。大学が実施するプログラムの中には支援金が支給されたり、単位を修得できるものもある。しかし、数週間の語学研修は英語力の向上にどの程度効果があるのであろうか。本研究は、短期海外研修に参加する大学生に、出発前および帰国後に一連のテストを受験してもらい、研修の英語力への効果を測定しようとするものである。研究初年度である29年度は12名の協力があったが、今回の発表では夏の研修に参加した5名の結果を中心に報告する。

発表2:「多読指導導入による可能性と課題~学習意欲や4技能の向上に向けて~」 仲山雄二(熊本県立岱志高校)

〔要旨〕 高校では、英語に苦手意識を持ち、長文等を読むことを何よりの苦痛としている生徒達が存在する。近年、そうした課題に対応する方策の一つとして注目を集めているのが、「多読」である。多読は、学習者が自らテキストを選び、日本語に訳すことなく英語そのものを頭から理解して楽しく読み進めていくうちに自然と英語の本来の楽しさを味わい、英語学習に対する意識を根本から変えることができる、とも謳われている。 多読指導は、20世紀初頭にHarold Palmerによって提唱され、近年ではDay&Bamford(1998)による多読指導への取り組みが世界的にもまた国内的にも大きな反響をよび、広がりを見せている。 しかし、公立学校において「多読指導」を行うには、多読図書購入のための多大な予算や、多読指導そのものの時間の確保、生徒達の習熟度に合った指導法の検討など、多くの課題が存在する。 本校では、多読指導のメリットを生徒たちの英語に対する興味・関心・意欲の向上につなげ、英語の4技能の向上を目指し、更には思考・判断・表現を有機的に関連付ける教室内活動を指導に取り込むべく、多読指導導入の模索検討を行っている。 本発表では、多読指導導入による読解力や4技能向上、リーディングストラテジーの獲得など様々な学習効果や、生徒たちの情意面における意識変容の可能性と、現状としての課題について、本年度の取り組みから考察して発表を行いたい。

 

 

第183回東アジア英語教育研究会

日時:2月17日(土)15:30-17:35

場所:西南学院大学1号館702教室

発表1:「English Medium Instruction in STEM courses in the Japanese Higher Education」 福永淳(九州工業大)
〔要旨〕 日本の高等教育では英語のみで修了できる学位プログラムを増やすため、英語を教授言語とする専門課程の講義(English Medium Instruction)が推奨されている。「英語FD」と呼ばれる英語講義推進のための様々な教員研修が多数行われ、英語で講義を受講する学生の英語力を上げるため、TOEIC等の外部英語試験の得点を、英語の成績に加味したり、進級判定基準としたりする大学も出てきた。例え専門科目で要件を満たしていても、英語の得点が足りなければ進級が出来ない大学もある。今後、EMIの更なる広がりが予測される中、本発表では、英語講義を担当する教員の声も取り上げ、STEM分野専門課程でのEMIが抱える影響や問題を考察する。

発表2:総タイトル「グローバル人材育成のための九州大学の英語教育:課題と展望」 (九州大学グループ) 「この20年の九州大学の英語教育の概観」 志水俊広(九州大)

〔要旨〕 九州大学の全学教育(昔のいわゆる教養課程;現在九大では「基幹教育」と称する)における英語教育は、この20年間で1999年、2000年、2014年の3回カリキュラムを改定してきた。それぞれのカリキュラムの特徴を中心にこの間の九州大学の英語教育を概観し、以下の3つの発表へとつなげていく。

「Why is Q-LEAP doomed to be short-lived?」 井上奈良彦(九州大)

〔要旨〕 This paper examines several factors that influence the development and management of an English curriculum and suggests that a well-intended curriculum may not survive some persistent obstacles.

「共創学部の英語教育:課題解決力の育成を目指して」 内田諭(九州大)

〔要旨〕 平成30年度に開設される九州大学共創学部のカリキュラムでは「徹底した語学教育」が柱の一つとして掲げられている。それを実現するために、1年次に履修する「英語インテンシブコース」の設計が進められている。このプログラムでは時事英語・学術英語の習得を通して、共創学部の目標の一つである課題解決力の育成を目指す。本発表では、英語インテンシブコースの概要を示し、そのあり方について議論する。

「The Feasibility of Teaching a Science-based English Course within the Faculty of Languages and Cultures EAP Program at Kyushu University」 Shaun O’Dwyer(九州大)

〔要旨〕 This presentation offers some preliminary thoughts on the feasibility of developing and teaching a scientific English course within the new EAP curriculum in Kyushu University’s Faculty of Languages and Cultures. The course would be based on the Active Learning of English for Science Students (ALESS) curriculum currently being taught at Tokyo University. Consideration will be given both to the potential for such a course to help contribute to Kyushu University’s “Breakthrough Top One Hundred” and “Super Global Type A Research University” objectives, and to the potential for institutional obstacles to impede its successful development. ------------------------------------------------------------------------------

第182回東アジア英語教育研究会

日時:1月20日(土)15:30-17:35

場所:西南学院大学1号館702教室

発表1:「香港の中等教育における教育言語の変遷」 原隆幸(鹿児島大学)

〔要旨〕 香港において、学校教育における教育言語は重要な問題の1つである。植民地香港における中国社会は伝統的にエリート社会であり、一部のエリート層が英語や文語中国語に堪能であれば十分であった。戦後の香港では一般教育が普及し、大衆が英語学習の機会を求めるようになった。また、国際語としての英語の重要性が認識され、子どもの将来の選択肢を多くするために、英語を教育言語とする学校に入学させる傾向が強くなっていった。中国に返還された香港では、さらに複雑さを増している。そこで本発表では、返還前と返還後の香港の中等教育における教育言語の変遷を取り上げる。最後に、日本の中等教育の教育言語についても考えてみたい。

発表2:「日本の公立小学校における内容学習/ CLIL型小学校英語教育の可能性について考える-公立小学校での実践授業をもとに-」 蒲原順子(福岡大学非常勤講師)、祁答院惠古(荒川区、中野区小学校英語教育アドバイザー)

〔要旨〕 発表者2名は、内容重視型(以下CBI) / 内容言語統合型学習(以下CLIL)を日本の公立小学校に取り込むことについて、それらの定義と理念を踏まえ、実際に行った実験授業と児童のフィードバックを中心に考察を試み、現状を考慮に入れたCBI/CLIL的な要素を取り入れた英語の授業の可能性を示唆する。まず、米国を土壌とするCBI とヨーロッパを土壌とするCLILの背景と定義、理念を、概観し、それらの相違点を確認し、日本の公立小学校の現状に照らし合わせ、どの部分が取り込めるのかを考察する。又、その際、文科省の小学校英語に関する理念や指針にも目を向ける。次に、CBI/CLILの要素を取り入れた公立小学校での高学年を対象とした「外来語」をテーマとした実験授業を紹介する。そして、指導案と授業の分析、児童のフィードバックの分析などから、日本の公立小学校の現状から離れない無理のないCBI/CLILを取り入れた授業の方法を提案する。最後に、CBI/CLILを取り入れた授業の意義と問題点にも触れる。 ------------------------------------------------------------------------------