2021年度

第224回東アジア英語教育研究会


日時:2月12日(土)15:30-17:35(予定)
場所:オンライン開催
参加費:なし
参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。
参加申込URL:https://forms.gle/rEqHsMqyjWLbBcf78

発表1:「遠隔授業奮闘記:短大と高専での実践報告」 徳永 美紀(久留米高専) 
〔要旨〕
大学における教育内容等の改革状況について」(MEXT 2020)によると、2018年度、事前・事後学習でLMSを使用している大学は57.4%、講義とeラーニングによる自習といったブレンディッド型学習を導入している大学が47.2%を占めたが、オンデマンドやリアルタイムでの遠隔授業を実施している大学は28.5%にとどまっていた。しかし、2020年度4月、新型コロナの感染拡大により、多くの大学教員は突然の遠隔授業の実施を余儀なくされた。発表者は、2020年度は短期大学で全て遠隔授業、2021年度は高等専門学校で対面⇒遠隔⇒対面⇒遠隔⇒対面という変動を体験する事となった。本発表では、対象学生や担当科目、クラス人数だけでなく、Google ClassroomからMicrosoft Teamsへと使用プログラムも変わる中で、発表者が直面した問題や、各校での遠隔授業で成功したアクティビティー、使用したアプリケーションなどを紹介する。

発表2:「海事分野のCLILを活用した大学英語教育―大学1・2年生向けの漫画教材の開発を通して― 」 二五義博(海上保安大学校)
〔要旨〕
海上保安大学校では、早期に海上保安業務の各場面での英語使用に慣れるため、1・2年生の段階から一般英語の学習と並行して海事英語にも触れている。その際、海上保安庁では多様化する事案への的確な判断力や思考力、および危機状況に対してのチームとしての協力が求められるため、「内容」と「言語」を統合的に学ぶのに加え、「思考」や「協学」の要素も重要視するCLILを活用している。低学年授業へのCLIL導入で留意した点は、専門用語で難解になりがちな授業内容に対し、いかに理解を高めるための足場を作るかであったが、本実践では視覚や身体も生かしながら高度な専門分野を学習できる漫画教材を利用した。指導においては、CLILの4Cにしたがって、「内容」では救助や船舶避航などのオーセンティックなテーマ、「言語」では航海・機関・通信の専門用語を用いるコミュニケーション、「思考」では場面の予測や問題への対処法、「協学」ではロール・プレイ等の活動をデザインする授業展開とし、学習者主体の質の高い学びを目標とした。本発表では、独自に開発した海事漫画教材とその授業実践を紹介するとともに、選択式および自由記述式のアンケート結果の分析を行いたい。


事務局
原 隆幸

第223回東アジア英語教育研究会

日時:1月22日(土)15:30-17:35(予定)
場所:オンライン開催
参加費:なし
参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。
参加申込URL:https://forms.gle/163y3QtgfmszmCQT6

発表1:「大学英語教育の変容 ―地方国立大学の試み―」 原 隆幸(鹿児島大学) 
〔要旨〕
中国では大学と大学院における英語教育に対して、ナショナル・カリキュラム(日本の学習指導要領にあたるもの)が存在し、それに基づいて教育を行っている。一方、日本の大学における英語教育には学習指導要領がなく、各大学の裁量でその内容を決めている。そのため、時代の流れと共に教養英語から実用英語、検定英語、リメディアル英語、一般学術姥久手悔いのための英語(English for General Academic Purposes: EGAP)や特定目的のための英語(English for Specific Purposes: ESP)へと内容が多様化してきている。多様化は時代の流れに応えるだけではなく、文部科学省の政策や施策も影響を与えている。その結果、大学は様々な英語力を持つ学生を世の中に送り出している。本発表では、時代の流れや文部科学省の政策や施策に応えながら英語教育を行っている地方国立大学の試みを取り上げ、法人化以降、特にこの10年近くで、どのように英語教育が変化してきたのかを関連する対応策と共に探る。

発表2:「小学校英語におけるALTとのティーム・ティーチング ―現状と提案―」 蒲原順子(福岡大学)、高野のぞみ(青山学院大学)、祁答院惠古(法政大学)
〔要旨〕
この発表では、小学校の外国語活動・教育におけるティーム・ティーチングの現状を分析し課題を浮き彫りにした上で、それらに対する解決策を提案する。ティーム・ティーチングには様々な組み合わせがあるが、この発表では、日本人教師(学級担任や英語専科教員)と外国人外国語指導助手(Assistant Language Teacher : ALT)のティーム・ティーチングを想定し、文化的・言語的違いに起因する「協働」の難しさに焦点を当てる。発表者たちは、日本人教師とALTが異文化を乗り越えて協働して教えることを“協育”と名付け、ティーム・ティーチングにおいての鍵(キーコンセプト)であると考える。子どもたちに英語や異文化を教えるだけではなく教師ら自身もお互いに学び合い育て合い、皆が成長していける外国語“協育”を目指すために、日本人教師が日々現場でできる工夫を紹介する。さらに、日本人教師とALTのやり取りに主眼を置いた“TT協育指導案” を使って、異文化理解を促すティーム・ティーチング案を紹介する。“TT協育指導案”とは、日本人教師がALTに伝えたい“心のつぶやき”を明示的に記すことにより、どのような場面でどのような英語を使えばスムーズにティーム・ティーチングできるのかがわかるように発表者らがデザインした指導案である。


事務局
原 隆幸

第29回ESP研究会

第29回ESP研究会を下記のとおり開催いたします。

ご興味をお持ちの方へご案内いただけますと幸いです。

日時:12月18日(土)14:00~17:30

場所:宮崎大学教育学部・地域学部棟

日程・タイトル・発表者(所属):

14:00-14:40
「獣医学生と英語学習-6年間を振り返るインタビュー調査から―」
山本佳代(宮崎大学)

14:40-15:20
「グローバルエンジニア育成の取組について」
光永武志(熊本高等専門学校)

15:20-16:00
「体育大学におけるICT利用の実態とICT活用への試み」
吉重美紀(鹿屋体育大学)

16:00-16:40
「大学生はどのように英語を学習しているか―課外プログラムも含めた包括的なESPに向けて」
荒木瑞夫(宮崎大学)

16:40-17:20
「日本の童話利用の英語教育-児童教育科小学校教育課程の学生用教材の開発の構想」
山内ひさ子(元長崎県立大学)

ご参加予定の方は安浪(yasunami@kumamoto-u.ac.jp)宛にご連絡ください。


安浪誠祐                                                                                                                                 

第222回東アジア英語教育研究会

日時:12月11日(土)15:30-17:35(予定)

場所:オンライン開催

参加費:なし

参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。

参加申込URL:https://forms.gle/p7LTvYoTzfVuiqnq8

発表1:「健康栄養を専攻する学生のための専門英語教育 -オンデマンド型授業の実践を踏まえて-」 東 宮史(徳山高専)

〔要旨〕

本研究の目的は、コロナ禍における特殊な環境下でのESP教育の可能性について、知見を得ることである。ESP教育は、多くの大学などの高等教育機関で導入されている。ESP教育が、学習者の英語学習に対する動機付けに効果的に働いた、とするなど、その効果を報告した研究は多い。一方、十分な英語力がない学生や専門的知識に乏しい学生にとって、ESP教育の効果がどこまで期待できるのか、と言ったような問題点を報告した研究もある。

新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、大学をはじめとする多くの高等教育機関でオンライン授業が導入され、2021年度前期においても、多くの高等教育機関では対面授業と遠隔授業が併用されていた。遠隔授業を余儀なくされた教員は手探りの中、試行錯誤をしていたことだろう。そして、いかに遠隔授業を提供するかということのみならず、教育の質を保証し、実りある学びの機会をいかに提供するか、という点が問われていた。

本発表では、4年制大学で健康栄養を専攻する2年生を対象とした、「専門英語」(必修専門科目)を、オンデマンド型遠隔授業で受講した学習者において、英語学習に関する意識と語彙力がどのように変容したかを報告する。

発表2:「大学入試センター試験32年のコーパス分析による通時的変化と共通テストについての一考察」 柏木哲也(北九州市立大学)

〔要旨〕

本年度から大学入試共通テストが開始された。昨年度まで行われていた大学入試センター試験(以後センター試験)を受け継ぐ国家規模での公的な試験である。そこで本研究では、センター試験の語彙、文法特性を通時的にコーパス分析し、どのような変化が見られたのかを探索的に分析し共通テストのありかたを議論することを目的とした。サブコーパスとして、センター試験における長文読解問題を3つ、①1988年から1999年まで②2000年から2009年まで③2010年から2020年まで及び、2021年度の大学入試共通テスト(以後共通テスト)の設問から4つ計7つを作成した。語彙関係の調査項目は、標準化されたタイプ・トークン比、平均文長、平均語長、平均語彙難度(JACET 8000基準)、リーダビリティ値であり、文法関係は、CLAWS(ランカスター大)のParsingによる①と③の比較である。

結果として、語彙関係の調査項目のほぼ全てに経年ごとの数値の上昇が見られ、英文が難化していることが判明した。平均文長の増加は、文の複雑さの上昇を意味し、平均単語長の上昇は、単語難易度の上昇を意味する。リーダビリティ値の上昇も英文全体の難易度が上昇していることを示唆する。また、①と③を比較した文法項目の比較調査において、英文の質が変化している兆候が多く発見され、柏木(2019)に類似した結果が示唆されていることが確認された。最後に、一年分ではあるが共通テストの調査結果と照らし合わせ、今後の入試問題がどのようにあるべきかを議論する。                                                                                       事務局 原 隆幸                                                                                   

第221回東アジア英語教育研究会



日時:10月16日(土)15:30-17:35(予定)

場所:オンライン開催

参加費:なし

参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。

参加申込URL:https://forms.gle/ysuAJ9EEwLpwpukk8

発表1:「英語リメディアル教育におけるプレゼンテーション指導:タキソノミー・テーブルと日本語プレゼンテーションを導入して」中西千春(国立音楽大学)・川井一枝(宮城大学)

〔要旨〕

リメディアル教育において,学生の価値観や英語へのニーズを理解することが,英語クラスの出席率を高め,苦手意識を減らし,ひいては必修である授業の単位取得につながると思われる。筆者の勤務する音楽大学で,英語プレゼンテーション授業を音大生の関心・生活・習慣に合ったものにカスタマイズすることで,彼らのモチベーションを高め,日本語・英語の思考力と言語力を滋養することができた。本授業は英語によるプレゼンテーション力の向上を目的とするが,最初に日本語のプレゼンテーションを実施することで,思いの丈を述べさせ,意欲を高めた上で,英語プレゼンテーションを行った。自己評価には,Bloomの『教育目標の分類体系:認知領域』(1956)の『改訂版』(Anderson & Krathwohl et al., 2001)で提示されたタキソノミーから該当する箇所を抜粋して作成した表を使用した。4月の初回授業と7月の最終授業で両言語のプレゼンテーションにおける学生の意識についても調査し,自己評価を比較した。その結果,学生の自己評価は日英プレゼンテーションの楽しさ・自信ともに有意に伸びた。本発表では,授業実践についての報告後,リメディアル英語教育において,また自己表現を大切にするという視点から英語プレゼンテーション授業に日本語を取り入れる意義についても議論する。

発表2:「小学校英語教育におけるチャンツ:発話の変化と児童の内省を通して」 川井一枝(宮城大学)

〔要旨〕

公立小学校における外国語(英語)教育が2020年度から本格化し,小学校3~4年生では週1回の外国語(英語)活動が必修となり,小学校5~6年生では週2回の外国語(英語)科が新設された。音声指導に重点が置かれる中,小学校英語教育ではチャンツがよく使われている。文科省がこれまで現場へ提供してきた教材にもチャンツが必ず掲載されており,現在も使用されている3~4年生対象の『Let’s Try! 1』『Let’s Try! 2』には,ほぼ全単元において「Let’s Chant!」のセクションがある。筆者は早期英語教育に長く携わる中,指導でチャンツを多用してきたことから興味を抱きこれまで研究を続けてきた。研究の最終目的は,小学校英語教育で多く活用されているチャンツの役割を検証・考察し効果的な指導法を提案することであり,本発表では,それら調査結果の一部を報告する。小学校の通常授業において担任主導で単元学習が進んでいく中,チャンツがどのような役割を果たしているのか,指

導前後における発音面や発話数の変化,自分の録音を振り返ることによって児童の意識がどのように変化するか等について調査した結果を報告する。                                                                 事務局                                         原 隆幸                                                   

第220回東アジア英語教育研究会(JACET東アジア英語教育研究会・言語政策研究会との共催研究会)

日時: 7月24日(土)15:00-17:30(予定)
場所: オンライン開催
参加費: なし
参加方法: 参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。
参加申込URL: https://forms.gle/Qjeu3dufSqNhp9em7

~プログラム~

総合司会:原隆幸(東アジア英語教育研究会事務局・言語政策研究会副代表)

15:00-15:10 杉野俊子(言語政策学会代表)の挨拶とSIGの説明

15:10-16:10 言語政策SIGからの発表
          「クリティカル理論の限界:英語プログラム再構築に際してのプラクシス(praxis)の難しさ」 三村千恵子(宇都宮大学)

16:10-16:20 石井和仁(東アジア英語教育研究会代表)のご挨拶とSIGの説明

16:20-17:20 東アジア英語研究SIGからの発表
          「韓国の歴代の大統領政権下における英語教育政策」 清永克己(至誠館大学) 

17:20-17:30 まとめ(原)


発表1: 「クリティカル理論の限界:英語プログラム再構築に際してのプラクシス(praxis)の難しさ」 三村千恵子(宇都宮大学)
〔要旨〕
過去30年以上、欧米では様々なクリティカルな視点が言語教育や応用言語学の分野で現れてきた。マルクス主義の影響を受けた「抑圧者のペダゴジー」(Freire, 1970)、「言語帝国主義」(Phillipson, 1992)、「言語の権利」(Skutnabb-Kangas, 1988)、また、権力構造の二極化や当たり前に受け入れられている真実(given)を疑問視するポストモダニズムのアプローチ、あるいはポストコロニアル思想の影響を受けたWorld Englishes、English as a Lingua Franca などはその一例である。本報告は、まず、クリティカル理論の言語教育・研究における応用について概観し、その問題点を考察する。次に、大学の確立した学部横断統一英語プログラムをクリティカル理論の視点から脱構築、再構築するにあたり、クリティカル理論を応用する困難さはクリティカル理論そのものにあり、またクリティカル理論の応用におけるプラクシス(praxis)の実践が、組織の構造や、かかわる主体のアイデンティティにより困難を極める現状を報告する。誰のための、何のためのクリティカリティか(”Criticality for whom and for what? “ Chun & Morgan, 2019)、問い続ける。

発表2: 「韓国の歴代の大統領政権下における英語教育政策」 清永克己(至誠館大学) 
〔要旨〕
韓国には、日本と同じように厳しい受験競争がある。言うまでもなく、韓国は学歴社会であり、大学を卒業していることが求められている。2000年に大学進学率は60%を越え、昨年は72.5%に達し、超高学歴社会となった。現在では、どこの大学を卒業したのかという、「学校歴社会」に変わっている。また、韓国の2018年度の貿易依存度は78.99%で、日本の36.82%に比べると2倍ほど高く、大企業だけでなくさまざまな業種の企業が実用的な英語力の高い人材を求めている。従って、英語の実力を示すTOEICで高得点を取っていることが、就職活動で有利な要件となる。英語の実力をつけることが、個人の目標だけでなく、社会からの要求に応えることであるという点で、日本と韓国の英語教育は大きく異なっている。韓国の大統領政権ごとに英語教育への取り組みをまとめ、そして日本の英語教育に対して提言を行いたい。

事務局
原 隆幸


第219回東アジア英語教育研究会

日時:5月15日(土)15:30-17:35(予定)

場所:オンライン開催

参加費:なし

参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。

参加申込URL:https://forms.gle/p5hYgjkWUBdKC5ZK8

発表1:「韓国の第5次教育課程から2015改訂教育課程までの基本語彙リストに関する比較研究」 清永克己(至誠館大学)

〔要旨〕

現在、韓国は『2015改訂教育課程』(日本の学習指導要領に相当する)に基づいて英語教育が行われている。日本の学習指導要領では、小学校課程で600〜700語を学習した語に、中学校課程で1600〜1800語を学習すると記載されているが、具体的な語を示した語彙表はない。しかし、韓国の教育課程には、2007改訂教育課程では2315語が、2009改訂教育課程では2988語が、2015改訂教育課程では3050語が、基本語彙として載っている。そして、中学と高校の一般課程では、それらの語彙表から2007改訂教育課程では75%以上を、2009改訂教育課程では80%以上を、2015改訂教育課程では90%を学習することが推奨されている。教育課程の改訂とともに、基本語彙がどのように変わっていったのかを、各教育課程の基本語彙表と『大学英語教育学会基本語リスト 新JACET8000』と比較研究を行った。

発表2:「Current Status of University Entrance Examination Reform and High School English Education」 福永 淳(九州工業大学)

〔要旨〕

In November 2019, the Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology (MEXT) announced the postponement of introducing private sector English tests as part of the Common Test for University Admissions. The “Study Council on University Entrance Examinations” was established to discuss the reform of university entrance examinations, and 25 meetings were held from January 15, 2020, to April 20, 2021. At the most recent meeting, a committee member submitted a document titled “A Draft for the Comprehensive Development and Evaluation of the Four Skills of English (Based on Previous Opinions)” for discussion. Although the meeting minutes have not been made public as of April 23, media coverage reported committee members' negative comments on the introduction of the private sector English proficiency tests. Members expressed concerns about the test systems’ inability to ensure equal opportunities for all test-takers and issues related to the unreliable implementation of testing; there may be many cases of cancellation of testing due to the spread of viruses. The presenter analyzes the meeting minutes and reports opinions about private-sector English tests exchanged among the committee members. If time allows, the presenter will share the voices of high school English teachers about the university entrance examination reform from her data set of an ongoing study.

事務局
原 隆幸
 

第218回東アジア英語教育研究会

日時:4月17日(土)15:30-17:35(予定)
場所:オンライン開催
参加費:なし
参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。
参加申込URL:https://forms.gle/NeZqUZGseDVGJsC86


発表1:「科研費プロジェクト:日本の地方文化を発信する大学間協働学習のための通訳案内士インタビュー」 金志佳代子(兵庫県立大学)、津田晶子(中村学園大学)
〔要旨〕
本研究の目的は、国家資格である通訳案内士(英語)を対象とした面接を行い、日本の地方文化に関する知見を得るものである。2019年度後期の4か月間、兵庫県、福岡県、沖縄県の大学生(日本人学生・留学生)がe-mail交換を中心とした大学間協働学習を行ったところ、学生たちが比較的限定された範囲の知識・情報のみをもとに地方文化を英語で発信しようとしていることが明らかになっている。そこで、本研究では、現地の文化にプロフェッショナルとして精通している通訳案内士のうち、兵庫県(含む大阪府在住者)6名、福岡県10名で活動している対象に対して半構造化面接を実施し、それぞれの地域特有の観光名所、祭り、郷土料理、工芸などについての情報収集を行った。その結果、インターネット検索では得られない情報や、文化の異なる外国人観光客への対応方法など、異なる地方文化に暮らす学生同士のe-mailを通じたコミュニケーションにも活用できる多くの情報が得られた。本発表では、通訳案内士へのインタビュー・データを分析した結果をもとに、兵庫県、福岡県のそれぞれの文化的背景について考察するとともに、今後の大学間協働学習の教材となりうる可能性について報告する。


発表2:「絵本を活用した小学校英語教育」 早瀬沙織(中村学園大学)
〔要旨〕
2018年に告示された小学校学習指導要領の改訂により、2020年度より小学校高学年では、外国語が「教科」として実施されている。小学校高学年では、これまで実施されていた外国語活動とは異なり、「活動」から「教科」となり、これまでは「聞くこと」、「話すこと」の2技能を重視してきたが、「読むこと」、「書くこと」の2技能も加わり「話すこと」が[やりとり]と[発表]の2領域に分けられ、4技能5領域の技能の習得、そして、検定教科書、評価も必要となった。これらの改訂に伴い、2020年度より7つの出版社から小学校高学年向けの小学校英語検定教科書が出版され使用されている。
小学校において英語の絵本を活用することは、既に研究がなされてきているが、本発表ではこれまでの研究をまとめ、2020年度から小学校高学年で使用されている教科書では実際どのような内容が盛り込まれており、今後どのように授業で取り入れて児童に指導して行ったらよいのか、検討する。


発表3:「A Personal Reflection on the Status of English in Malaysia」 Khadijah Omar(佐賀大学)
〔要旨〕
As a Malay Muslim who attended school in 1990s Malaysia, and who later trained as an English teacher, I grew up feeling that I was being tugged in different directions when it came to reconciling my use of English with my personal identity. English has occupied a shifting position in my country’s language policy ever since we gained independence in the late 1950s. In the 1970s its lofty status was demoted in favour of Malay, the national language, but it made a comeback twenty years later, rebranded as the medium of instruction for STEM subjects. This promotion lasted less than a decade; it was relegated to its original position of just another school subject following a period of intense polemic between various stakeholders. In this presentation, I will attempt to articulate my own complex thoughts regarding the many roles English has played in the nation’s education system by viewing these changes through a cultural, religious and professional lens.

事務局
原 隆幸