2021年度

第221回東アジア英語教育研究会



日時:10月16日(土)15:30-17:35(予定)

場所:オンライン開催

参加費:なし

参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。

参加申込URL:https://forms.gle/ysuAJ9EEwLpwpukk8

発表1:「英語リメディアル教育におけるプレゼンテーション指導:タキソノミー・テーブルと日本語プレゼンテーションを導入して」中西千春(国立音楽大学)・川井一枝(宮城大学)

〔要旨〕

リメディアル教育において,学生の価値観や英語へのニーズを理解することが,英語クラスの出席率を高め,苦手意識を減らし,ひいては必修である授業の単位取得につながると思われる。筆者の勤務する音楽大学で,英語プレゼンテーション授業を音大生の関心・生活・習慣に合ったものにカスタマイズすることで,彼らのモチベーションを高め,日本語・英語の思考力と言語力を滋養することができた。本授業は英語によるプレゼンテーション力の向上を目的とするが,最初に日本語のプレゼンテーションを実施することで,思いの丈を述べさせ,意欲を高めた上で,英語プレゼンテーションを行った。自己評価には,Bloomの『教育目標の分類体系:認知領域』(1956)の『改訂版』(Anderson & Krathwohl et al., 2001)で提示されたタキソノミーから該当する箇所を抜粋して作成した表を使用した。4月の初回授業と7月の最終授業で両言語のプレゼンテーションにおける学生の意識についても調査し,自己評価を比較した。その結果,学生の自己評価は日英プレゼンテーションの楽しさ・自信ともに有意に伸びた。本発表では,授業実践についての報告後,リメディアル英語教育において,また自己表現を大切にするという視点から英語プレゼンテーション授業に日本語を取り入れる意義についても議論する。

発表2:「小学校英語教育におけるチャンツ:発話の変化と児童の内省を通して」 川井一枝(宮城大学)

〔要旨〕

公立小学校における外国語(英語)教育が2020年度から本格化し,小学校3~4年生では週1回の外国語(英語)活動が必修となり,小学校5~6年生では週2回の外国語(英語)科が新設された。音声指導に重点が置かれる中,小学校英語教育ではチャンツがよく使われている。文科省がこれまで現場へ提供してきた教材にもチャンツが必ず掲載されており,現在も使用されている3~4年生対象の『Let’s Try! 1』『Let’s Try! 2』には,ほぼ全単元において「Let’s Chant!」のセクションがある。筆者は早期英語教育に長く携わる中,指導でチャンツを多用してきたことから興味を抱きこれまで研究を続けてきた。研究の最終目的は,小学校英語教育で多く活用されているチャンツの役割を検証・考察し効果的な指導法を提案することであり,本発表では,それら調査結果の一部を報告する。小学校の通常授業において担任主導で単元学習が進んでいく中,チャンツがどのような役割を果たしているのか,指

導前後における発音面や発話数の変化,自分の録音を振り返ることによって児童の意識がどのように変化するか等について調査した結果を報告する。                                                                 事務局                                         原 隆幸                                                   

第220回東アジア英語教育研究会(JACET東アジア英語教育研究会・言語政策研究会との共催研究会)

日時: 7月24日(土)15:00-17:30(予定)
場所: オンライン開催
参加費: なし
参加方法: 参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。
参加申込URL: https://forms.gle/Qjeu3dufSqNhp9em7

~プログラム~

総合司会:原隆幸(東アジア英語教育研究会事務局・言語政策研究会副代表)

15:00-15:10 杉野俊子(言語政策学会代表)の挨拶とSIGの説明

15:10-16:10 言語政策SIGからの発表
          「クリティカル理論の限界:英語プログラム再構築に際してのプラクシス(praxis)の難しさ」 三村千恵子(宇都宮大学)

16:10-16:20 石井和仁(東アジア英語教育研究会代表)のご挨拶とSIGの説明

16:20-17:20 東アジア英語研究SIGからの発表
          「韓国の歴代の大統領政権下における英語教育政策」 清永克己(至誠館大学) 

17:20-17:30 まとめ(原)


発表1: 「クリティカル理論の限界:英語プログラム再構築に際してのプラクシス(praxis)の難しさ」 三村千恵子(宇都宮大学)
〔要旨〕
過去30年以上、欧米では様々なクリティカルな視点が言語教育や応用言語学の分野で現れてきた。マルクス主義の影響を受けた「抑圧者のペダゴジー」(Freire, 1970)、「言語帝国主義」(Phillipson, 1992)、「言語の権利」(Skutnabb-Kangas, 1988)、また、権力構造の二極化や当たり前に受け入れられている真実(given)を疑問視するポストモダニズムのアプローチ、あるいはポストコロニアル思想の影響を受けたWorld Englishes、English as a Lingua Franca などはその一例である。本報告は、まず、クリティカル理論の言語教育・研究における応用について概観し、その問題点を考察する。次に、大学の確立した学部横断統一英語プログラムをクリティカル理論の視点から脱構築、再構築するにあたり、クリティカル理論を応用する困難さはクリティカル理論そのものにあり、またクリティカル理論の応用におけるプラクシス(praxis)の実践が、組織の構造や、かかわる主体のアイデンティティにより困難を極める現状を報告する。誰のための、何のためのクリティカリティか(”Criticality for whom and for what? “ Chun & Morgan, 2019)、問い続ける。

発表2: 「韓国の歴代の大統領政権下における英語教育政策」 清永克己(至誠館大学) 
〔要旨〕
韓国には、日本と同じように厳しい受験競争がある。言うまでもなく、韓国は学歴社会であり、大学を卒業していることが求められている。2000年に大学進学率は60%を越え、昨年は72.5%に達し、超高学歴社会となった。現在では、どこの大学を卒業したのかという、「学校歴社会」に変わっている。また、韓国の2018年度の貿易依存度は78.99%で、日本の36.82%に比べると2倍ほど高く、大企業だけでなくさまざまな業種の企業が実用的な英語力の高い人材を求めている。従って、英語の実力を示すTOEICで高得点を取っていることが、就職活動で有利な要件となる。英語の実力をつけることが、個人の目標だけでなく、社会からの要求に応えることであるという点で、日本と韓国の英語教育は大きく異なっている。韓国の大統領政権ごとに英語教育への取り組みをまとめ、そして日本の英語教育に対して提言を行いたい。

事務局
原 隆幸


第219回東アジア英語教育研究会

日時:5月15日(土)15:30-17:35(予定)

場所:オンライン開催

参加費:なし

参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。

参加申込URL:https://forms.gle/p5hYgjkWUBdKC5ZK8

発表1:「韓国の第5次教育課程から2015改訂教育課程までの基本語彙リストに関する比較研究」 清永克己(至誠館大学)

〔要旨〕

現在、韓国は『2015改訂教育課程』(日本の学習指導要領に相当する)に基づいて英語教育が行われている。日本の学習指導要領では、小学校課程で600〜700語を学習した語に、中学校課程で1600〜1800語を学習すると記載されているが、具体的な語を示した語彙表はない。しかし、韓国の教育課程には、2007改訂教育課程では2315語が、2009改訂教育課程では2988語が、2015改訂教育課程では3050語が、基本語彙として載っている。そして、中学と高校の一般課程では、それらの語彙表から2007改訂教育課程では75%以上を、2009改訂教育課程では80%以上を、2015改訂教育課程では90%を学習することが推奨されている。教育課程の改訂とともに、基本語彙がどのように変わっていったのかを、各教育課程の基本語彙表と『大学英語教育学会基本語リスト 新JACET8000』と比較研究を行った。

発表2:「Current Status of University Entrance Examination Reform and High School English Education」 福永 淳(九州工業大学)

〔要旨〕

In November 2019, the Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology (MEXT) announced the postponement of introducing private sector English tests as part of the Common Test for University Admissions. The “Study Council on University Entrance Examinations” was established to discuss the reform of university entrance examinations, and 25 meetings were held from January 15, 2020, to April 20, 2021. At the most recent meeting, a committee member submitted a document titled “A Draft for the Comprehensive Development and Evaluation of the Four Skills of English (Based on Previous Opinions)” for discussion. Although the meeting minutes have not been made public as of April 23, media coverage reported committee members' negative comments on the introduction of the private sector English proficiency tests. Members expressed concerns about the test systems’ inability to ensure equal opportunities for all test-takers and issues related to the unreliable implementation of testing; there may be many cases of cancellation of testing due to the spread of viruses. The presenter analyzes the meeting minutes and reports opinions about private-sector English tests exchanged among the committee members. If time allows, the presenter will share the voices of high school English teachers about the university entrance examination reform from her data set of an ongoing study.

事務局
原 隆幸
 

第218回東アジア英語教育研究会

日時:4月17日(土)15:30-17:35(予定)
場所:オンライン開催
参加費:なし
参加方法:参加を希望の方は、参加申込URLより、事前登録をお願いいたします。
参加申込URL:https://forms.gle/NeZqUZGseDVGJsC86


発表1:「科研費プロジェクト:日本の地方文化を発信する大学間協働学習のための通訳案内士インタビュー」 金志佳代子(兵庫県立大学)、津田晶子(中村学園大学)
〔要旨〕
本研究の目的は、国家資格である通訳案内士(英語)を対象とした面接を行い、日本の地方文化に関する知見を得るものである。2019年度後期の4か月間、兵庫県、福岡県、沖縄県の大学生(日本人学生・留学生)がe-mail交換を中心とした大学間協働学習を行ったところ、学生たちが比較的限定された範囲の知識・情報のみをもとに地方文化を英語で発信しようとしていることが明らかになっている。そこで、本研究では、現地の文化にプロフェッショナルとして精通している通訳案内士のうち、兵庫県(含む大阪府在住者)6名、福岡県10名で活動している対象に対して半構造化面接を実施し、それぞれの地域特有の観光名所、祭り、郷土料理、工芸などについての情報収集を行った。その結果、インターネット検索では得られない情報や、文化の異なる外国人観光客への対応方法など、異なる地方文化に暮らす学生同士のe-mailを通じたコミュニケーションにも活用できる多くの情報が得られた。本発表では、通訳案内士へのインタビュー・データを分析した結果をもとに、兵庫県、福岡県のそれぞれの文化的背景について考察するとともに、今後の大学間協働学習の教材となりうる可能性について報告する。


発表2:「絵本を活用した小学校英語教育」 早瀬沙織(中村学園大学)
〔要旨〕
2018年に告示された小学校学習指導要領の改訂により、2020年度より小学校高学年では、外国語が「教科」として実施されている。小学校高学年では、これまで実施されていた外国語活動とは異なり、「活動」から「教科」となり、これまでは「聞くこと」、「話すこと」の2技能を重視してきたが、「読むこと」、「書くこと」の2技能も加わり「話すこと」が[やりとり]と[発表]の2領域に分けられ、4技能5領域の技能の習得、そして、検定教科書、評価も必要となった。これらの改訂に伴い、2020年度より7つの出版社から小学校高学年向けの小学校英語検定教科書が出版され使用されている。
小学校において英語の絵本を活用することは、既に研究がなされてきているが、本発表ではこれまでの研究をまとめ、2020年度から小学校高学年で使用されている教科書では実際どのような内容が盛り込まれており、今後どのように授業で取り入れて児童に指導して行ったらよいのか、検討する。


発表3:「A Personal Reflection on the Status of English in Malaysia」 Khadijah Omar(佐賀大学)
〔要旨〕
As a Malay Muslim who attended school in 1990s Malaysia, and who later trained as an English teacher, I grew up feeling that I was being tugged in different directions when it came to reconciling my use of English with my personal identity. English has occupied a shifting position in my country’s language policy ever since we gained independence in the late 1950s. In the 1970s its lofty status was demoted in favour of Malay, the national language, but it made a comeback twenty years later, rebranded as the medium of instruction for STEM subjects. This promotion lasted less than a decade; it was relegated to its original position of just another school subject following a period of intense polemic between various stakeholders. In this presentation, I will attempt to articulate my own complex thoughts regarding the many roles English has played in the nation’s education system by viewing these changes through a cultural, religious and professional lens.

事務局
原 隆幸