2014年度活動報告

第141回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成26年4月19日(土)15:30~17:30
  会 場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発表題目:日本人社会人留学生のためのEAP:生涯学習としての海外留学の視点から
  発 表 者: 津田 晶子(中村学園大学)

【要 旨】  本研究発表では、英国レディング大学大学院修士課程に在籍している日本人社会人留学生を対象とした半構造化面接をもとに、英語圏の大学院で学ぶ際に直面する「英語の壁」について事例報告をし、中国語圏、および韓国からの留学生との比較分析をする。また、英国の大学院における留学生や社会人学生に対する各種サポートについても合わせて報告する。

   
2013年度のレディング大学における在外研究の報告も兼ねております。
     ご興味のある先生方はお気軽にお越しください。


第142回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成26年5月17日(土)15:30~17:30
  会 場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発表題目:英語リメディアル教育と向き合う
            -英語が苦手な大学生に「授業が楽しい」と言わせるアプローチ-

  発 表 者: 牧野 眞貴(近畿大学)

【要 旨】  リメディアル教育とは,大学授業の受講者として想定しているレベルに達していない学生に対して,補習的に学力の向上を図ることを目的とした教育であり,英語においては習熟度別クラス編成の最下位クラスが対象となることが多い。近年大学の入試制度が多様化し, AO入試,スポーツ推薦入試,指定校推薦入試などで,毎年一定数の学生が入学してくる。これらの入試制度は受験生に学力試験を課さないことが多いため,学生の入学前の学習量が少ない傾向があり,一部の学生においては,入学後の授業で遅れを見せることがある。このような習熟度の低い学生を対象としたリメディアル教育が多くの大学で実施されているが,これまで発表者が担当した英語リメディアルクラスでは,英語に強く苦手意識を持っている学生が少なくなかった。このような学生の学習意欲を高め,学習姿勢を構築するには,中学校,高校で行われてきた授業方法とは異なるアプローチにより,教師が学生を授業に巻き込む工夫を行い,英語学習の楽しさを学生に実感させることが効果的である。本研究発表では,英語リメディアル教育の現状について述べるとともに,発表者がこれまで行った学生の学習意欲を高める取り組みの成功例,および英語リメディアル教育に関する最新の研究成果について報告する。


第143回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成26年6月21日(土)15:30~17:30
  会 場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発表題目:バスク自治州におけるCLIL(内容言語統合)型学習の実践から学ぶ
            -CLIL型学習ワークショップ-

  発 表 者: 中西 千春(国立音楽大学)

【要 旨】  本発表では,前半はバスク自治州(スペイン)の中学校の視察(2014年2月)に基づいて,CLIL(内容言語統合)型学習の実施状況を報告する。バスク自治州のIkasotolaと呼ばれるバスク語を教育言語とする学校群は,10年前から組織的にCLIL型学習を導入している。CLIL型学習で学んだ学習者のモチベーション・コミュニケーション力・語学力は,EFLの学習者よりも,高い傾向にある。この背景には,Ikasotolaが組織的に行っているカリキュラム・教材開発の成功および科目間・教師間の連携がある。本発表の後半では,ワークショップ形式で,参加者にCLIL型学習を体験してもらう。Soft CLIL教材を使ったアクティビティを行い,既存の大学生向け英語教材をCLILアプローチにする視点と工夫を話し合う。最後に,CLIL型学習の可能性と限界について,ディスカッションを行う。


第27回支部研究大会 ⇒ プログラム

 The 27th Annual Conference of JACET Kyushu-Okinawa Chapter

  日 時: 平成26年7月5日(土)10:00~
  会 場: 鹿児島大学 教育学部 [ 鹿児島市郡元1-20-6 ]
  大会テーマ:Active Learningに向けた大学英語教育
             ―協同学習と自律学習を視野に入れたカリキュラム構築


  < Conference Info >
     
Date:  July 5th (Sat.), 2014
     
Venue: Kagoshima Univ. Faculty of Education Bld.
          
(Korimoto 1-20-6 in Kagoshima City)
     Theme: College English Education Aimed at Active Learning:
            
Designing Curricula for Collaborative Learning and Learner Autonomye


第144回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ

       シンポジウム 「アジア圏学習者研究の新展開:多元化と相対化」

  日 時: 平成26年7月19日(土)15:30~17:30
   場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発表者および題目:

       石川 慎一郎(神戸大国際文化学研究科)
L2学習者の言語運用の可視化:コーパスにできること/できないこと
  川村 晃市 (同上) 英語学習者のly副詞運用の課題
  緒方 高士 (同上) 英語学習者の英語前置詞運用の課題
  張 琪 (同上) 日本語学習者の複合動詞運用の課題
  曹 卓琦 (同上) 日本語学習者の頻度副詞運用の課題
【要 旨】  ICLE, ICNALE, JEFLLといった学習者書き言葉コーパスの普及により,新たな視点からの学習者研究が可能になったが,当然ながら,書き言葉コーパスの分析だけでわかることは限られている。今後重要なことは,コーパスについては,書き言葉に加えて話し言葉の収集を進め,あわせて,コーパス以外のデータ(教科書,学習者意識)を組み合わせて多元的に分析を進めることであろう。本シンポジウムでは,はじめに,発題者が学習者研究の多元化と相対化の方法と現状について概観を行った後,4名の発表者が,英語学習者・日本語学習者にかかる個別のL2修得上の問題を取り上げて報告を行う。その後,ディスカッションの時間を設け,今後の学習者研究の方向について一緒に考えていきたい。


第145回東アジア英語教育研究会   (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成26年9月27日(土)16:00~17:30
   場: 西南学院大学 学術研究所 第3会議室
  発表題目:テスト項目数の違いがC-Testの心理測定学的特性に与える影響
         Effects of the Number of Test Items on the Psychometric Properties of C-Tests
  発 表 者: 伊藤 彰浩 (西南学院大学)

【要 旨】 The present study investigated the effects of the number of test items on the psychometric properties of C-Tests. A C-Test is composed of five short independent passages aimed at assessing English language proficiency. Within each passage, a C-Test typically contains 30 test items. In the current study, 77 native Japanese speakers who learned English as a foreign language were administered a C-Test. From the 150 items in total, five additional datasets were constructed. To construct these new datasets, scores on the first five items of each original passage were aggregated while the rest of the items were ignored. Five more items were then added to each passage, resulting in a total of six datasets. Exploratory and confirmatory factor analyses were conducted on the six datasets of the C-Test in order toexamine the factorial structure and unidimensionality of the data. In addition, reliabilitycoefficient of the C-Test and a Peason's product-moment correlation between the C-Test and a standardized English language proficiency test (the VELC Test) were computed. Results indicated that increasing the number of items in the C-Test was associated with an increase inthe values of psychometric properties. This finding implies that a C-Test should contain at least 125 items to have potential for being a reliable and valid measure of English language proficiency. Future directions of further research on C-Test validation are also discussed.


第146回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成26年10月18日(土)15:30~17:30
   場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発表題目:消滅危機言語についての指導-アイヌ語を中心に-
         Teaching about Endangered Languages: With Special Reference to Ainu Language
  発 表 者: 水島 孝司 (南九州短期大学)

【要 旨】  学校教育では英語、中国語などの大言語を教えるだけでなく、少数言語の存在についても教える必要がある。わが国には8つの消滅危機言語があり、そのうちの1つであるアイヌ語は最も危険な「極めて深刻」に分類されている(ユネスコ 2009)。多文化共生の時代にあって、アイヌ語とアイヌ民族について教え、国内の「異文化」に生徒・学生の目を向けさせることは、多様性に対する寛容さの基盤を育む上からも重要なことである。日本学術会議の報告「アイヌ政策のあり方と国民的理解」(2011)には、「小・中・高校のすべてのレベルの教育において、アイヌの文化と民族の歴史の理解の促進を図るべきである。学習指導要領にそれが明記されるべきであろう。(中略)大学においても、関連する科目担当者の自主性において、アイヌ民族に関する教育が行われることを希望する」とある。発表者は、上記報告が出る前から短期大学の「英語学概論」という授業において、アイヌ語を含む消滅危機言語について若干ではあるが指導をしてきている。本発表では、2013年度の授業における(1)消滅危機言語に関する指導内容、(2)アイヌ語に関する指導内容、(3)受講生の反応、について報告する。なお、(2)の報告では、発表者が2013年9月に北海道沙流郡平取町にある二風谷アイヌ語こども教室を見学した時のことについて触れるとともに、現地で入手したアイヌ語のテキストを紹介する予定である。


第147回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成26年11月15日(土)15:30~17:30
   場: 西南学院大学 コミュニティセンター2階会議室 いつもと違う会場です
  発表題目:日本の英語教育はどこに向かうのか -欧州の言語教育政策から考える
  発 表 者: 金森 強 (関東学院大学)


2014 JACET九州・沖縄支部 秋季学術講演会

  日 時: 2014年11月22日(土)15:30~17:00
  会 場: 鹿児島大学教育学部 第1講義棟 103教室
  形 式: 講演
  タイトル:ビジネスに求められる英語力
           -2006年と2013年の2つの調査から得られた知見と英語教育への応用-

  発 表 者: 寺内 一 (てらうち はじめ)

               1960年生まれ。英国ウォーリック大学大学院英語教育学研究科修了(Ph.D)
               現在高千穂大学商学部教授・副学長。一般社団法人大学英語教育学会副会長。
               専門は英語教育学(ESP)・法文化論。

   JACET Kyushu-Okinawa Chapter 2014 Autumn Special Lecture

Dear chapter members:

This year's special lecture will be held as follows:
[Note. the lecture will be delivered in Japanese.]


Information

 Date & Time: 15:30-17:00, November 22 (Sat).

 Venue:Kagoshima University, Korimoto Campus Room 103
        (1st Floor of Dai-Ichi-Kougitou, Faculty of Education, Kagoshima University)


 Lecturer: Prof. Hajime Terauchi (Ph.D.) (Faculty of Commerce, Takachiho University)

 Title: ビジネスに求められる英語力
      -2006年と2013年の2つの調査から得られた知見と英語教育への応用-

出席予定の方へ

 資料準備等のため、事前メールをお願い致します。
 Contact email: k4883743@kadai.jp
           (subject: “2014 JACET ASL at Kadai”due 11/17 Mon. 18:00)


 一般会員、並びに学会への入会を検討されている方も、講演終了後の懇親会へも奮って御参加下さい
 会費 3,500円で、10品ほどの料理と飲み放題が付いています。懇親会の日時と場所は下記の通りです。

 日 時:11月22日(土)17:30~
 場 所:極Dining縁」 鹿児島市荒田2丁目46-17  TEL:099-250-8026

 懇親会参加希望の方は、講演会参加に加え、その旨をメールにてお伝え下さい。
    参加申し込み期限:11月17日(月)18時まで

第148回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ
    『英語教育12』通信に案内があります

  日 時: 平成26年12月13日(土)15:30~17:30
   場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発表題目:大学におけるEAP授業の設計 -学習者データからの示唆
  発 表 者: 参加者は京都大学から7名、発表は主として学生4名の予定
            田地野 彰
            高橋 幸
            金丸 敏幸
            細越 響子
            栗原 典子
            川西 慧
            加藤 由崇

  懇親会: じゃがいも弐番館 TEL:092-822-6222
              会費:5,000円(飲み放題付き)
              時間:18時開始予定

          忘年会にご参加される方は、12月10日(金)までにお知らせください。


第149回東アジア英語教育研究会  (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成27年1月24日(土)15:30~17:30
   場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発 表 者: 岡田 美鈴 (九州大学大学院)

          柏木 哲也 (北九州市立大学)
  発表題目:高等学校での教育実習における実践とアンケート調査結果の報告
              ―高校生の英語に対する意識―
」 (岡田美鈴)
         TOEFLとセンター試験の長文問題比較:
              語彙及び内容における妥当性
」 (柏木哲也)

            ただ妥当性につきましては、統計分析が難しく、あくまでリーダビリティーや
           語彙難度等の複雑さからの考察が中心になります。
           同時に1998年と2008年の国公立大学で出題された個別検査入試読解問題も
              比較対象にいたします。


第150回東アジア英語教育研究会 記念研究会  (→ 会員の先生方へ

  日 時: 平成27年2月21日(土)15:30~17:30
   場: 西南学院大学 1号館 201教室
  内 容:

(1) 開会の辞
      研究会代表 木下正義(元福岡国際大学)
15:30-15:35
(2) 祝辞
      JACET会長 神保尚武(早稲田大学)
15:35-15:40
(3) 講師紹介
      研究会事務局 田久保千之(久留米大学附設高校)
15:40-15:45
(4) 講演
      講師:小田眞幸(玉川大学文学部教授・玉川大学ELFセンター長)

      題目:グローバル化時代の大学英語教育
            -EFL環境したでの日本の英語教育は如何にあるべきか
15:45-17:00 (75分)
(5) 質疑応答およびコメント
      司会 志水俊広(九州大学)
17:00-17:25 (25分)
(6) 閉会の辞
      研究会代表:木下正義
17:25-17:30

【講演要旨】  日本における大学英語教育も大きな転換期を迎えている。2013年度の第52回JACET国際大会(京都大学)で行われたポスターセッション「グローバル人材育成のための大学英語教育の取り組み」には、84の大学が参加し、それぞれの英語教育への取り組みが紹介された。18歳人口の減少が進んでいることもあり、特に中規模や小規模の私立大学にとっては英語教育をどう立て直すかが大学の死活問題であると言っても過言でないだろう。
 各大学の取組みの形態は多様ではあったが、その中で目立ったキーワードは、「英語(のみ)で行う英語の授業」、「ネイティブ・スピーカーによる英語の授業」、「統一カリキュラム」、「ITを利用した学習」、「少人数授業」、「海外(特に英語圏)研修」であった。このうち「英語(のみ)で行う英語の授業」、「ネイティブ・スピーカーによる英語の授業」はこれまでも英語の教育の改革が語られるときに繰り返し姿を現すキーワードであるが、これらが本当に日本の英語教育を良い方向に転換させたという確固たる証拠は未だに存在しない。
 本講演ではその中で「ネイティブ・スピーカー」に焦点を当て、EFL環境におけるこれらの位置づけを論じ、日本の大学英語教育に従事する者がどのように取り組んで行けばよいか、玉川大学ELF(English as a Lingua Franca)センターの実践例を交えながら提案していきたい。
 講演は大きく3つの部分で構成される。まず初めに、国内外の英語教育におけるネイティブ・スピーカーの役割についての議論を自らの体験を交えながら、学習者、教職課程受講者、大学院生、英語教師、そして教員養成課程担当者という異なった立場から概観する。次に、1990年代以降の英語教育・応用言語学の専門家による「ネイティブ・スピーカー」の役割をめぐる議論を紹介するとともに、これらが社会においてどのような価値観を形成し、学習者に影響を与えてきたかを論ずる。そして最後に、玉川大学が2014年度より開設したELFセンターのプログラムにおける実践例を紹介した上で、その理念およびプログラムの策定に「ネイティブ・スピーカー」についてのそれまでの議論がどのように関わっているかを示した上で、日本の大学英語教育プログラムにおける到達目標の設定、教員の採用がどうあるべきか1つの提案を行いたい。


【講師紹介】  小田眞幸(おだ まさき)
 玉川大学文学部外国語学科卒業後渡米し、セントマイケルズカレッジ大学院修士課程(MA in TESL/TEFL),ジョージタウン大学言語学部博士課程(Ph.D. in Applied Linguistics)を修了。現在玉川大学文学部教授、ELFセンター長。AsiaTEFL副会長、大学英語教育学会(JACET)国際交流委員長。専門は言語政策論、World Englishes/English as a Lingua Franca, メディアディスコース、マルチモダル・コミュニケーション、学習観の形成など多岐にわたる。

  懇親会: じゃがいも弐番館 TEL:092-822-6222
              時間:18:00-20:00
              会費:5,000円
          懇親会にご参加される方は、2月18日(木)までにお知らせください。


第151回東アジア英語教育研究会

  日 時: 平成27年3月14日(土)15:30~17:30
   場: 西南学院大学 1号館 205教室
  発 表 者: 出野 由紀子(東洋大学)